伊藤さんがかぼちゃ作りを始めたのは平成27年。
構想はずっと前からあったそう。
五味沢の地域を元気にするために何をすべきか考えたとき、思い浮かんだのがかぼちゃだった。
かぼちゃは日本の文化。米と同じくらい食べる人がいるはず。
さらに今後自分がどのくらい働けるのかと考えたときに、機械を使わずに簡単に作れるかぼちゃは他の人にも継ぎやすい。
「好きでも嫌いでもない。自然と身についてるのがかぼちゃ」
かぼちゃを作ろうと決めたらそれからたくさん勉強した。
ブランド化を見据えて種選びからこだわり、栽培を始めてからは畑のデータも取った。
こだわりは生産だけにとどまらない。
五味沢かぼちゃを多くの人に知ってもらうための活動も活発に行っている。
特に地域の子どもたちには、畑からものを作ることの大切さを知ってもらいたいと農業体験を行っている。
現在の出荷量は3,000個ほどだが、5年後に20,000個まで増やしたいと芳郎さんは言う。
五味沢ブランドのかぼちゃが広がれば、地域の良さも知ってもらえる。
五味沢地区には誇れるものがたくさんあるという再発見の入り口になりそうだ。
芳郎さんの目標は「助け合いの地域」を作ること。
信念を持ち、新しいものに挑戦し続ける芳郎さんのまわりには人が集まり始めている。
五味沢の魅力が詰まった坊ちゃんかぼちゃは、光を浴びて輝いている。
取材:明治大学 辰巳葵(2017年9月)